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宿毛の魅力を次世代へ‐歴史を紡ぐコンシェルジュの挑戦【前編】

~ HarFor Breaking Interview#04  宿毛コンシェルジュ 谷口麻耶さん ~

 HarForがオフィスを構える高知で、解決できる課題、実現できる未来は一体なんなのか。高知を一緒に盛り上げていく素敵な方々からお話を伺うインタビューシリーズ、「HarFor Breaking Interview」。HarForが大切にする「つながり」をテーマに、ゲストのご縁をつなげていくリレー企画です。

 前回のゲスト、PUSH-UP ライフコーチの横山敦子さんがご紹介してくれた第四回目のゲストは、高知県の最西端・宿毛市で「宿毛コンシェルジュ」として活動されている谷口麻耶(たにぐち  まや)さんです!よろしくお願いいたします。

(谷口さん)ーよろしくお願いします!

~谷口  麻耶さんProfile~
1980年、高知県宿毛市出身。
高校を卒業後、小売業を経て旅行会社に勤務したのち
旅先で出会った偉人に衝撃を受け観光ガイドの道へ。
3児の母として子育てをしながら、「宿毛コンシェルジュ」として独立。

(インタビュアー)現在、宿毛コンシェルジュという観光ガイドのお仕事をメインに、一般社団法人こうち観光ネットワーク副理事も務めながら、猫グッズの販売、地域イベントの企画、オンライン講座など、とても幅広く活動されているということですが…。
ラジオパーソナリティーもされているんですか?

(谷口さん)はい!研修を受けている最中ですが、地域のコミュニティラジオで2月くらいから本格的に始める予定です。私はもともと宿毛の偉人のことが大好きなのですが、「歴史に興味がある人や地元のことが好きな人に向けてラジオで話してみませんか?」とお声がけいただいて。

(インタビュアー)宿毛の偉人?初めて聞きました!

(谷口さん)実は、宿毛市が推奨しているだけでも21人の偉人がいるんです。その方たち一人一人の人生が素晴らしく、勇気をもらえるんですよ。
偉人たちが多く活躍した明治時代は、今と似ている部分があるんです。江戸時代は士農工商と いう身分制度で分けられて、農民は農業・商人は商売と身分によって決 まっていました。選ぶことはできませんが、それぞれ決められていることをやれば良い時代でし た。しかし、明治になって自由な選択が可能になったことで、多くの人が何をどう選ぶか悩んだ り、路頭に迷ったりしました。動乱の時代でしたが、ある意味自分が行動すれば、人生を変えられる時代 になったんですよね。農民であっても、商売をして稼ごうと思ったら稼げるようになったんです。今 の時代の働き方とも共通していると思います。昔は良い大学を出て良い会社に就職する流れが 当たり前でしたが、今ではインターネットやスマホがあれば何でもできます。明治も今も、最終的 には「行動する」ということが重要なんですよね。やりたいと思ったら、今も過去も、行動しなけれ ば変わりません。
特に私が大好きな宿毛の5人の偉人たちは明治時代に「日本をどうやって強い国にしようか、どう やって良くしようか」を考え、さまざまな選択をして功績を残した人たちです。

▲高知県の西の端に位置する宿毛市。のどかで美しい景色が広がっています。

       

(インタビュアー)その5人について、少し教えてもらってもいいでしょうか?

(谷口さん)まず1人目は板垣退助の右腕として活躍した竹内綱さんです。吉田茂さんの実の父にあたる方ですね。宿毛の方なんですよ。そして、2人目は小野義眞(ぎしん)さんです。ミルクコーヒーやヨーグルトが有名な小岩井農場ってご存じですか?

(インタビュアー)知っています!私も好きです!

(谷口さん)実はその小岩井という名前の「小」という漢字は、小野義眞さんの「小」です。(他、出資者の岩崎彌之助の「岩」、当時の鉄道庁長官・井上勝の「井」の頭文字をとって「小岩井」になったそう。)小岩井を作るときにこの方が懸け橋となり、立ち上げを助けたんですよ。
3人目の林有造さんは、大臣や高知県の初代知事を務めた「宿毛のドン」のような存在です。
そして4人目は北海道の初代長官になった岩村通俊さんです。私が「宿毛を元気にする」ための活動を始めたきっかけになった偉人です。最後に、5人目の大江卓さんは、日本で初めて国際裁判を行った人物です。政治家や実業家としても活躍された後、最終的にはお坊さんになったという面白い経歴の持ち主でもあります。
明治時代の出来事を振り返っていくと、必ずと言ってもいいほどそこには宿毛の誰かが関わっています。本当に語りつくせないくらい、皆さんすごい人たちばかりです。

▲宿毛の歴史を知り、偉人たちから勇気をもらったそう。(写真左から岩村通俊/大江卓/小野義眞/竹内綱/林有造)

(インタビュアー)宿毛の歴史に興味を持ったきっかけはなんですか?

(谷口さん)実は中高生のときまでは、「宿毛って何にもない」と思っていました。遊園地も映画館もショッピングする場所もなく、遊ぶ場所がなくてつまらないと感じていたので、外への憧れがすごく強かったですね。
高校を卒業し、旅行会社に就職したのですが、研修で北海道に行く機会がありました。函館に行ったとき、とある施設の中で「北海道の成り立ち」を紹介するパネルを何気なく見ていたら、北海道庁の初代長官として、岩村通俊さんの名前を見つけたんです。そしたらなんと、出身が高知県宿毛村と書いてあって!衝撃を受けました。当時高知市内まで出るのに4〜5日かかっていたような時代です。そんな時代に、どうして高知の端っこの人が、こんなに遠く離れた北海道で開拓を仕切っていたの?と。何があったのか知りたくて、帰ってすぐに宿毛の歴史館に行きました。すると「この人もすごい、あの人もすごい、この人もすごい!」となっちゃって(笑)それで歴史館に通い詰めになりました。

▲年パスがあればと思うほど歴史館に通ったと話す谷口さん。

(谷口さん)宿毛にはこんなに素晴らしい歴史や魅力があったのに、知らなかったのは私だけだと気づいたんですよね。若い頃だったので形ある建物がないから魅力がないと思っていましたが、実はそうではなかったんだと。
そして、歴史館に通い詰めていたら、宿毛の観光協会さんが「ガイドの会」を立ち上げるということでお話をいただき、ガイドの道に入りました。3人子供がいるのですが、まだ真ん中の子が3歳くらいのときで、子育てとバイトをしながらでしたね。
その後、ガイドとして独立を決めました。

(インタビュアー)それが今メインで活動されている「宿毛コンシェルジュ」でしょうか?

(谷口さん)はい。元々所属していたところはボランティアみたいな感じだったのですが、小さい子を育てていながら生活していくのには少し無理があって…。また、他の所属ガイドさんと自分との間に、熱量の差を感じたんですね。それもあって独立しようと決めました。
コンシェルジュというと、ホテルのコンシェルジュを想像すると思いますが、例えば「歌舞伎見たいけどチケット取ってくれない?」とか「ここに行きたいけどどうやったらいける?」など、その地域のことがわからない方のためのサポートを提供します。お客様のやりたいこととのマッチングの可能性を高めるため、漁師さんや農家さんなど、地元の他の業種の方にも「宿毛で何かしたいときは声をかけてください」と声をかけ、繋がりを拡げています。
今はガイドも、イベントも、物販も、全ての業務を、全部一人でやっているような形です。

(インタビュアー)それはすごいですね!

▲子育てをしながら宿毛コンシェルジュとして活躍されています。

(谷口さん)良くも悪くも色んなことに興味があります。そして、興味があることには猪突猛進になるんです。でも最近、そういった考え方が変わってきました。子供もまだ5年生、3年生、4歳とまだ手がかかる上に、こんなに幅広いことを全部一人でやるのは到底無理だとやっと気が付いたんです。
そんな私にInstagramのコンサルタントの先生がとてもいい言葉をくださったんです!「完璧主義じゃなくて完了主義にしましょう」と。とりあえずやって終わらせる。Instagramの投稿もやり始めるとカラーリングやトリミングなど、拘り出すとキリがありません。なので、「これくらいでいいか」と自分に言い聞かせて、とりあえず投稿をするという風にしました。どれだけ拘っていても、それは自分だけが気にしていることで、見ている人は一瞬見て終わりです。今はまず投稿していくことが大事だ!とか、優先順位を考えることが重要だと教えてもらいました。自分を許すという意味でも、完璧を求めないことは大事なことです。

(インタビュアー)私たちもSNS運用の仕事をしているので、すごく共感できます。
他にお仕事をする中で大事だなと分かった発見はありますか?

(谷口さん)お客様とのコミュニケーションの取り方ですね。仕事柄、人とコミュニケーションを取ることがとても多いのですが、知らず知らずの内に相手のペースや雰囲気に自分を合わせていることに気が付いたんです。私の中では常に一定にしているつもりだったのですが、実は自分の中で相手に合わせて、勝手に喋り方や聞き方を調整していました。ガイドにとってはすごく大事なことです。例えば、いつもテンションMAXな状態でガイドをやっていても、人によっては相手が疲れてしまいますよね。他にも、歴史が好きな方ってたくさんいますが、そういった方はガイドにずっと説明をしてもらいたいわけではなくって、実は自分が喋りたかったりする。他愛ない会話で相手のバックグラウンドを聞いたりしながら、相手の興味や好みに合わせて自分で無意識に調整しています。
それが私の持ち味であり、お客さんとの間で大事にしてることですね。

▲お客様に合わせた柔軟なコミュニケーションが魅力の谷口さん。

前編では、宿毛の歴史や偉人たちが大好きな谷口さんが、なぜ今のお仕事を始めることになったのかというきっかけや、お仕事について大事にしていることなどを詳しくお伺いしました。谷口さんの思いは地域の活性化だけでなく、子育て、教育、そして自由な働き方にも向けられています。
次回の後編では、谷口さんが実践する子育てや教育の取り組み、デジタル時代の働き方についてお話しいただきます。

取材の様子は番外編としても、HarForの公式Xで順次公開!
そちらもぜひチェックしてみてくださいね。

それでは、後編もお楽しみに!

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(インタビュー・写真:HarFor広報担当)