BtoB向けのデジタルマーケティングは、toCに比べ検討期間が長いなどtoBならではの特徴があります。また、テレビCM等の多額予算を要するマスマーケティングと比べ、低予算かつ費用対効果の高いデジタルマーケティングは中小企業に適しています。
以下ではその特徴や手法について図解やイラストを交えつつお伝えいたします。
1.BtoBデジタルマーケティングとは?
BtoBデジタルマーケティングの特徴
BtoBとは企業間での取引を指し、BtoCとは企業と消費者間での取引を指します。それぞれ取引相手に応じたマーケティング手法が求められます。
ここでは検討期間および支払方法について、お伝えいたします。
まず検討期間については、toBの場合、社内会議などを行った上で複数人の承認が必要な場合があるため、成約までの期間は長くて数か月に及びます。また、最終的な購入決定者と製品使用者が異なる場合も多く、それぞれの担当者に応じた多面的なアプローチが必須です。
その分、一度成約が決定すると他社に切り替えるいわゆるブランドスイッチは起こりづらく、手厚いアフターサービスなどに注力することで長期的な関係を構築していけることも多いです。
次に支払方法については、toCマーケティングではクレジットカード等を使用した即時決済が基本です。
一方、toBマーケティングでは請求書を介して行われることが基本です。
取引規模や業界によって異なりますが、支払期限は製品やサービス提供後、数週間から90日程度の間に設定されます。
BtoCマーケティングとの違い
BtoCは一般の消費者を対象としており、取引規模は小さく、基本的に見積等は無く販売価格も企業側が決定します。商品購入決定の期間がtoBと比べ短いですが、その分他社に乗り換えるブランドスイッチも起こりやすいことがtoCの特徴です。
主な違いは以下にまとめました。
2.BtoBにおけるデジタルマーケティング
デジタルマーケティングにおける手法
デジタルマーケティングの手法については大きく3種類に分かれます。
デジタルマーケティングとは、AIやVR、Iotといったテクノロジーを活用した活動を指します。その中でWEBやSNSを用いたマーケティング活動をWEBマーケティングといいます。
コンテンツマーケティングはデジタル活動に限ったものではなく、図のようにWEBサイトやEメールでの活動を含みつつも、新聞広告などデジタル以外のことも指します。
見込み顧客の育成の流れ
マーケティング用語で見込み顧客の育成のことをリードナーチャリングと言います。顧客の検討度合いに応じて適切なアプローチを継続的に行うことで企業への信頼感や購買意欲を向上させ、成約率を上げるというマーケティング手法です。
また、見込み顧客は大きく匿名、実名の2種類に分けられます。匿名顧客を実名化することでよりその人に応じた製品の提案が可能となり、成約率を上げることが可能です。リードナーチャリングを行う際は下記の図のような流れに応じて施策を行うことで円滑に顧客化を成功させることが可能です。
そして、ナーチャリングの過程としてデジタルマーケティングがあります。
主なものがWEB広告、資料のダウンロード、メルマガ等のコンテンツマーケティングです。
WEB広告
WEB広告とは、インターネット上のメディアサイトやSNS、メールなどに掲載される広告を指します。
主なメリットとして、マスメディア広告に比べ低予算であること、短期間で集客効果を上げられること、細かく対象顧客を絞れること、分析・改善が容易なこと等があげられます。
資料ダウンロード
資料ダウンロードは大きく分けて2種類に分かれます。
1つ目は、自社サービスの概要や導入メリットについて紹介する営業資料です。
2つ目は、ホワイトペーパーと呼ばれるフレームワーク等の潜在顧客を含む顧客全体の課題解決のための参考資料です。
営業資料は、既に自社サービスに興味を持っている顧客にダウンロードされます。一方ホワイトペーパーは、企業のサービスに興味がなくても資料テーマ自体に興味があればダウンロードされる傾向にあります。
その中でも注目すべきがコンテンツマーケティングです。
低予算かつ費用対効果の高いデジタルマーケティングは中小企業に適しています。そこでさらに初期費用の少ないコンテンツマーケティングをデジタルマーケティングを使って行うことで最大限にメリットを享受できます。
デジタル×営業担当者の力
オンライン活動を主とするデジタルマーケティングですが、BtoBにおいてはオフライン活動の営業担当者の力も特に重要です。BtoCと異なり、toBの場合、成約前の過程として営業担当者から問い合わせへの回答や詳しい説明、見積もり書の作成等も行います。
デジタル×営業担当者の力を最大限に活かすために必要なこととして、まずデジタルの力を利用し獲得した見込み顧客に一定の評価を行います。それぞれの顧客に応じた営業活動を展開することで、優先順位もつけやすく、効率的に成約率を上げられます。
さらに、営業担当者とマーケティング担当者の共通指標をたてることも重要です。一般的に営業担当者は短期的に成約獲得目線で指標を立てるのに対し、マーケティング担当者は中長期的に顧客視点で指標を立てるため、互いに視点がやや異なります。そのため、共通の指標を立てていない場合、連携がうまくいかずマーケティング活動にずれが生じてしまいます。
普段バックヤードにいるマーケティング担当者と表に立って売り込みをする営業担当者が連携することでより効果的なマーケティング活動を展開できます。
3.中小企業がデジマするならまずは何から始めたらいいのか?
自社サイトの活用
まずは基本となる自社サイトに力を注ぎましょう。
サービスや会社の概要、これまでの事業実績などを整理して掲載することで信頼感が増し、問い合わせ獲得に繋がります。
さらに近年は、スマートフォンの利用が増加しているため、スマートフォンにも対応したレスポンシブデザインが推奨されています。
資料ダウンロード
自社サービスの概要や導入メリットについて紹介する営業資料とホワイトペーパーと呼ばれるフレームワーク等の潜在顧客を含む顧客全体の課題解決のための参考資料の2種類を作成することをおすすめいたします。
コンテンツマーケティング
導入が容易なものとしてSNSやメールマガジンの活用があげられます。
特にSNSは顧客とのコミュニケーションの場を設けることで、信頼感や親密感を獲得しつつ、いち早く顧客ニーズをつかむことが可能です。
また、検索キーワードで表示されるリンク先を自社ブログに流入させるSEOマーケティングもあります。どの手法を取り入れる場合も、定量的な目標や計画を立て、一貫性のある企業情報を発信することが重要です。
まとめ
今回はBtoBデジタルマーケティングの手順についてご紹介いたしました。
デジタルマーケティングをゼロから始めることはなかなか難しいものです。
WEBサイト専門の業者や代理店もありますが、WEBのことを理解していない担当者だと足元を見られてしまうこともあります。
しっかりと検討を重ね、自社に応じた良心的な業者を選びたいものです。
株式会社HarForでは、BtoBデジタルマーケティング分野における戦略・オペレーションから施策実施までを一貫して対応しております。
ぜひこちらにてご相談くださいませ。